南部藩の城下町として、静かに時を刻む岩手県二戸市。古い町並みには、今なお武家屋敷の風情が色濃く残り、街路にはどこか懐かしさが漂っている。

旅から戻ったこむぎは、何日ぶりかもわからない静けさのなか、自室の窓辺に座っていた。時計は動いているはずなのに、時間だけが部屋に置き去りにされたようだった。壁には、旅立つ前に貼ったままの日本地図がある。東北の各地にはピンの跡が残り、赤い糸が幾重にも絡み合って、まるで蜘蛛の巣のように広がっていた。

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