第8章 現存しない星の瞬き 2025年11月22日 その夜、こむぎは八幡平のキャンプ場にテントを張った。 夏休みにはまだ早く、敷地内に人影はほとんどない。 風の音と、遠くで鳴く虫の声だけが、広い空間に溶けていた。
第10章 秘められた力を封印 2025年11月10日 こむぎはナビを見つめた。画面の赤い印は山の奥深く、林に飲まれそうなほど孤立していた。 人の手が届く気配もなく、足跡ひとつ残らず眠っているような場所。
第11章 沈黙のあとで 2025年11月09日 こむぎが家に戻ったのは、それから三日後の夜だった。 長い旅の埃を落とし、砂を浴び、ようやく自室の床に腰を下ろした。部屋は出発前と何ひとつ変わっていない。 壁の地図。赤いピンと絡まる糸。旅の途中で増えたはずの答えは、どれも形を持たず、胸の奥に沈んでいた。